第8回ルソー研究会
日時:2月27日(土)15:00~
場所:立教大学ロイドホール5階第2会議室
桑瀬章二郎
齋藤山人
『エミール』を読む(8)
Ce qui fait le plus de peine aux ministres de Perse, c’est le sérail, qui est le palais des femmes, où il se tient une manière de conseil privé, qui l’emporte d’ordinaire par-dessus tout, et qui donne la loi à tout. Chardin
A chaque instant il faut pactiser avec lui….
リトレが拾っているこの表現は、「方法」をめぐる新たな考察に続き、「意志」と名高い規律disciplineの諸関係をめぐって展開する謎めいた記述を解く鍵となるかもしれません。
それにしても、この箇所ほどルソーがさまざまな先行テクストに頻繁に言及する箇所はないのかもしれません。直前のクインティリアヌスだけではなく、モンテーニュ、プルタルコス、モリエール、ロック、ロラン、フルーリー、シャルダン、(暗黙の、だが決定的な参照項)モンテスキュー…。この点を考慮に入れれば、問題は人間悟性l’entendement humain, 感覚的理性la raison sensitive, 知的理性la raison intellectuelle と身体(nos membres, nos sens, nos organes)にとどまらぬことは明白でしょう(⇔シャラクの注19)。
法、習俗、模倣…主題は無限に拡散していくのです。(桑瀬章二郎)
第一部 読解
第二部 研究報告 桑原悠(立教大学修士課程)「『エミール』の一挿話―「そら豆と所有」再考」
テクスト
Rousseau, Émile ou l’éducation, (GF Flammarion, 2009)-第8回目167頁下から2行目~186頁3行目まで。
ルソー『エミール』(上、中、下)岩波文庫(新版)
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