研究会への誘い



政治問題であれ、経済問題であれ、社会問題であれ、無数の喫緊の課題に直面するわれわれが今日あえて「古典」に向かう理由とは何でしょうか?

残念ながら、研究会に参加する者たちのあいだにも、統一的な回答などありません。どうやら各自が漠然とそれぞれの回答らしきものを有しているようですし、それは各々の報告や発言によって感じとれなくはないのですが、誰ひとりとして自分の考えを他人に押しつけようとはしません。われわれは、さまざまな時代的制約と、無意志的自己正当化の呪縛からそれほどたやすく逃れられるなどとは思ってはいないのです。

それでも、議論を進めるうちに、既存の思考法や「常識」に対する疑義が共有される瞬間らしきものが生まれることがあります。幻想にすぎないのかもしれません。しかし、われわれは、この疑義や疑念をだいじにしたいと考えています。そして、こうした懐疑を体験できるだけでも、研究会を開く価値があるとも信じています。

研究会には、文学、哲学、法学、美学、政治学、教育学、経済学といった多様な領域を専門とする修士、博士の院生、PD、教員が参加しています。そこで実現されている(とわれわれが信じる)理性の使用にもとづく討議・議論など、まさに参加者の夢想にすぎないかもしれませんが、われわれはそれに賭けるしかない―そうも考えています。(桑瀬章二郎)

研究会についてのお問い合わせ、参加のご希望は以下まで。
齋藤山人
yamatosaito@rikkyo.ac.jp

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