第1回ルソー研究会
日時:2014年11月1日(土)15:00~
場所:立教大学ロイドホール5階第1会議室
桑瀬章二郎
齋藤山人
齋藤山人
『エミール』を読む(1)
Nul plus que Rousseau en un sens n’a contribué à créer le mythe du silence sexuel de l’enfant, en qui, s’élèverait un beau jour dans des conditions normales (c’est-à-dire complètement artificielles) la voix de la Nature. Georges Benrekassa
フランス啓蒙の頂点にしてその臨界、<近代>を告げるとともにそれを葬りさってしまった『エミール』に再び立ち戻ります。『エミール』ほど不純なimpur作品など存在するでしょうか?「主体」「言語」「感覚」「宗教」「政治」といった「本質」について付随的にépisodiquement語りつつ、絶えず読者に嫌悪感dégoûtを抱かせる悪魔のような書物。自然/文明、地方/都市、貞潔/退廃、男性/女性masculin /féminin(ソフィ=Mère-Putain?)、市民/個人といった図式を転倒させつつ、国家や共同体、そして何よりも個人individuについて(ほとんど弁証法的に)語りつくそうとする作品。さまざまな「契約」に基づく人間関係=「政治」の(不)可能性(「革命」の(不)可能性?)を検討しようとする作品…
ここ20年間ほどのルソー研究の驚くべき停滞(「われわれ」に「責任」があるのでは?)を意識しつつ、またフランスのアカデミズム内権力闘争の産物であるさまざまな「抑圧」を退けつつ、来るべき新たなる読解を準備します。(桑瀬章二郎)
テクスト
Rousseau, Émile ou l’éducation, (GF Flammarion, 2009) - 第一回目74頁まで。
ルソー『エミール』(上、中、下)岩波文庫(新版)
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